経済産業省、「中小企業向けDX支援事例集」を公開!全国の成功事例から学ぶデジタル変革のヒント

2025年4月、経済産業省は全国の支援機関による中小企業のDX(デジタル・トランスフォーメーション)推進の取り組みをまとめた「DX支援取組事例集」を公開しました。中小企業にとって、身近な成功事例から学べる貴重な資料です。本記事では、事例集の概要と活用ポイントを解説します。

目次

なぜ今「DX支援取組事例集」なのか?

少子高齢化や労働人口の減少という構造的な課題に直面する日本の中小企業にとって、DX(デジタルトランスフォーメーション)への対応は、もはや選択肢ではなく必須課題です。
一方で、資金・人材・知見の不足により独力でDXを推進するのは困難になっているのが現実です。そこで、経済産業省は「支援機関による伴走支援」という新たなアプローチに注目。全国各地で先進的なDX支援に取り組む地域金融機関、ITベンダー、コンサルタント、公的機関の事例を一冊にまとめたのが、今回の事例集です​

👉 DX支援事例集(PDFダウンロード)はこちら

注目事例の紹介

1. 買取・販売業 (宮城県:七十七銀行グループによる伴走支援)

七十七銀行は、地域企業のデジタル化と生産性向上を目的に、100%子会社「七十七デジタルソリューションズ」を設立。同行営業店と連携しながら企業の課題を丁寧にヒアリングし、クラウドツール「kintone」の導入をはじめとする最適なソリューションを提供。買取・販売業のA社では、業務フローの可視化と従業員教育を通じて顧客管理業務を効率化し、年間1,000時間超の工数削減を達成しました。

2. 肥料製造企業(茨城県:常陽銀行による伴走支援

常陽銀行は「Ibaraki DX Community」を通じて、県内のITコーディネータや経営者協会、支援機構と連携し、中小企業のDX推進を支援。特に「DXの必要性は感じているが、進め方がわからない」という企業に対し、簡易DX計画作成研修やセミナーを実施しています。支援事例では、肥料製造企業のトラック荷積み業務を可視化し予約管理システムを導入。車両の滞留解消や積込作業の効率化に成功しました。

3. 自動車販売業 (千葉県:千葉銀行グループによる伴走支援

千葉銀行はグループ会社と連携し、経理管理業務の属人化に悩む自動車販売業A社の業務改善を支援。従業員名簿や管理帳簿が紙ベースで管理されていたため、業務フローの可視化とITツールの導入を実施。業務内容を「やめる」「標準化する」「アウトソーシングする」「システム化する」に分類し、A社に適したITツールを選定・導入。その結果、業務の属人化から脱却し、経理管理業務の承継が円滑に進みました。デジタル化を通じて経営承継と組織の再構築を同時に実現した好事例です。

事例集の活用方法:自社に「置き換えて」読む

この事例集の最大の価値は、「自社の課題とどう重ね合わせるか」にあります。

  • 製造業なら:業務の自動化やIoT導入による効率化事例に注目
  • サービス業なら:予約管理や顧客対応のデジタル化に注目
  • ITに不慣れな企業でも:支援機関との具体的な連携手順に注目

まずは同じ業種・課題の企業の事例から読み始めてみましょう。

DXは「1社でやる時代」から「支援機関と一緒に進める時代」へ

中小企業がDXを推進するうえで、信頼できる支援機関との連携は不可欠です。今回の事例集には、成功事例だけでなく、取り組み過程や苦労も記されており、導入初期のヒントとして非常に有用です。

最後に:あなたの地域にも、DXの味方がいる

DXは特別なことではありません。身近な支援機関に相談しながら、できるところから一歩ずつ進めることが重要です。
DXに関するお悩みはDX学校 秦野校までお気軽にご相談ください!

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